Translator (Azure) と DeepL 翻訳を比較してみた

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はじめに

少し前から、Stable Diffusion や ChatGPT など AI が驚異的な進化を遂げています。
他に Web サービスで AI が話題になったものといえば、 (だいぶ前ですが) 「DeepL 翻訳」が思い浮かびます。
Azure の「Translator」という翻訳サービスと「DeepL 翻訳」を簡単に比較してみます。

検証

翻訳する文章は、私のうろ覚えの「桃太郎」の最初の部分です。

昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。
ある日、お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。
お婆さんが川で洗濯をしていると、どんぶらこ、どんぶらこと大きな桃が流れてきました。
お婆さんは流れてきた大きな桃を家へ持って帰りました。
お爺さんも帰ってきて、桃を食べようと包丁でパカっと割ってみると、なんと赤ん坊が飛び出てきました。
お爺さん、お婆さんはたいそう驚きましたが、その赤ん坊を ”桃太郎” と名付け、育てることにしました。

この文章を下記のように英訳・再翻訳して、結果を比較してみます。

  1. 原文を英訳。
  2. 1 の結果 (英文) を日本語に再翻訳。

Translator (Azure)

【英訳】

Once upon a time, there lived a grandfather and a grandmother in a certain place.
One day, my grandfather went to the mountains to harvest shiba, and my grandmother went to the river to do laundry.
When the old lady was washing clothes in the river, a big peach flowed in the river.
The old lady brought home a large peach that had flowed.
My grandfather came back and tried to eat peaches with a kitchen knife, and the baby jumped out.
Grandpa and grandmother were very surprised, but they named the baby "Momotaro" and decided to raise him.

【再翻訳】

むかしむかし、ある場所に祖父と祖母が住んでいました。
ある日、祖父は柴を収穫しに山に行き、祖母は川に洗濯をしに行きました。
おばあさんが川で服を洗っていると、大きな桃が川に流れていました。
おばあさんは流れていた大きな桃を家に持ち帰りました。
祖父が戻ってきて包丁で桃を食べようとすると、赤ちゃんが飛び出しました。
おじいちゃんとおばあちゃんはとても驚いていましたが、赤ちゃんを「桃太郎」と名付けて育てることにしました。

DeepL 翻訳

【英訳】

Once upon a time, there lived a grandfather and an old woman.
One day, the grandfather went to the mountains to cut bush bushes, and the grandmother went to the river to wash clothes.
While the old woman was washing her clothes in the river, a big peach came down the stream.
The old woman took the peaches home.
Grandpa came home and cracked the peach open with a knife to eat it, and to his surprise, a baby came out.
Grandpa and Grandma were very surprised, but they named the baby "Momotaro" and decided to raise him.

【再翻訳】

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日、おじいさんは山へ柴刈りに行き、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。
おばあさんはその桃を家に持って帰りました。
おじいさんが帰ってきて、桃を食べようとナイフで割ってみると、なんと赤ちゃんが出てきたのです。
おじいさんとおばあさんはとても驚きましたが、その赤ちゃんに「桃太郎」と名付け、育てることにしました。

翻訳結果の比較

  • 共通
    • 原文にかなり近い結果となりました。
    • オノマトペ (どんぶらこ、パカっ) は消えました。
  • Translator (Azure)
    • 「包丁」が残っています。
    • 「赤ん坊が 飛び出てきました。 」の意味が残っています。
    • 「祖母」、「おばあさん」、「おばあちゃん」と同じ意味の翻訳がブレています。
  • DeepL 翻訳
    • 「おじいさん」、「おばあさん」で統一されています。
    • 「なんと赤ちゃんが出てきたのです。」
      • 「なんと」という感嘆詩が残っています。
      • 「飛び出てきた」という感じがなくなっています。
    • 「包丁」→「ナイフ」に変わっています。

どちらもイイ意味で甲乙つけがたい結果となりました。
共通する弱点?として、オノマトペの翻訳は苦手なようです。

プランの比較

2023/03 時点のプランを比較してみます。
(どちらも無料プランがありますが、この記事では比較対象外とします。)

Translator (Azure) DeepL 翻訳
プラン 従量課金 (*1) DeepL API Pro
料金 100 万文字あたり : $10
(インスタンス S1)
基本料金 : 630 円
1 文字あたり : 0.0025 円
  • *1 : 「従量課金」以外にも、「コミットメント レベル」や「ボリューム ディスカウント」などがあります。

どちらも「1 文字 = 1 コードポイント」というカウントのようです。
たとえば、100 万文字を翻訳する場合、料金は下記のようになります。

  • Translator (Azure)
    • $10 [100 万文字あたり] × 135.86 円 [為替レート] = 1,358.6 円
  • DeepL 翻訳
    • 630 円 [基本料金] + (0.0025 円 [1 文字あたり] × 1,000,000 文字 ) = 3,130 円

おわりに

AI の進化のおかげで、英語が苦手な私でも困らない時代になってきました!
AI がさらに進化すれば、より自然な翻訳になることは間違いありません。
「はじめに」にも書いた Stable Diffusion や ChatGPT のように、様々な方面で AI が活躍しはじめています。
これからも、AI から目が離せません!

参考情報

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